今回は先日開催したANIFTY特別講義の中のプログラムの1つ、「人気クリエイターの一歩としてのNFTとは?」についてレポート形式でお届けします。
講師はNFTアーティストやコラムニストなどの顔を持つおねんね氏。
見た目はとっても可愛らしい女の子アバターですが、書籍を出版したり、完全個人で人気クリエイターとして活躍しています。
このレポート記事を読めば、クリエイターとして人気になるための具体的な方法がわかります。
ANIFTY特別講義概要
2023年1月、アニメ・漫画専攻の専門学校生を対象に、株式会社クリーク・アンド・リバー社の子会社でありNFTマーケットプレイスを運営するANIFTYがNFTに関する講義を開催しました。
当日の講義は以下のように盛りだくさんの内容でした。
- おねんね氏特別講義&おねんね氏への質問タイム
- NFT出品ワークショップ
- 作品販売に関する著作権講義
- ワークショップで出品された作品の発表
- ANIFTYのサービス紹介
本記事では上記プログラムの中の「おねんね氏特別講義&おねんね氏への質問タイム」をレポートします。
おねんね氏とは
おねんね氏は、完全個人・無所属でNFT関連事業で100万円以上の収益を上げているNFTアーティスト・コラムニストです。
その他、YouTuberやKindle出版など多方面でご活動されています。
おねんね氏のセミナートピック
おねんね氏の特別講義の内容は、「NFTについて全く知らない人」でも理解できるような内容になっていました。
具体的には、以下のトピックについて順を追って解説していくような流れです。
- 仮想通貨とは
- ブロックチェーンとは
- NFTとは
- NFTを始めるメリット
- 人気クリエイターになる方法
NFTについて詳しく知りたい方は、「NFTとは?描いたイラストをデジタル作品にして出品してみよう」もあわせてご覧ください。
特に、「人気クリエイターになる方法」の中で紹介されていた「コミュニティ作り」はクリエイターであれば抑えておきたい内容。
実際、質疑応答コーナーでもコミュニティについての質問が多かったです。
質疑応答の詳細は後述します。
人気クリエイターになるのに必要不可欠なコミュニティ作りという考え方
人気クリエイターになる方法の1つに「長期的に人気を得ることを考えること」が紹介されていました。
「長期的に応援されるためには、今の活動でファンを増やし、次の活動に連れていくことが必要」と語るおねんね氏。
その効果的な手段の1つが、本講義の重要なキーワード「コミュニティ作り」です。
おねんね氏のコミュニティ
自分の作品や活動を起点としたコミュニティを形成しやすいという特徴を持つNFT。
おねんね氏の場合は、「Cute Girl’s Profile」という女性の横顔をモチーフにしたNFTを展開しています。
オンライン上に情報交換できる場を作ることで、以下のような価値が生まれ、コミュニティが形成されます。
- おねんね氏とファンとの交流
- 作品を持っている人同士の情報交換
- クローズドな情報の取得
こうしたコミュニティを中長期的に運営していくことで人気と売上の両方を維持しやすくなるというわけです。
時代の移り変わりがはやく、現在のクリエイターの活動が5年後には古くなってしまうからこそ重要な視点ではないでしょうか。
コミュニティ作りの具体的なノウハウは、おねんね氏の著書「NFTアート 100万円稼いだ方法を全部明かす」をご覧ください。
質疑応答コーナー:参加者の疑問に対するおねんね氏の回答
セミナーの最後には質疑応答も実施され、学生からNFTについて様々な質問がなされました。
1つ1つの質問に対して非常に具体的な回答をするおねんね氏。
本レポートでは数ある質問の中からいくつか抜粋します。
SNSでの交流や人とのコミュニケーションが苦手。それでもNFT販売はできる?
コミュニケーションが得意なことに越したことはないが、可能。
バンクシーのように正体不明でも人気なクリエイターはいるし、自分自身について多くを語らなくてもバズっているクリエイターもいる。
ブランドとして売り出すこともできる。
コンクールやイベントに積極的に応募し、結果が出せれば、人気を得ることもできる。
ANIFTYでも定期的にイベントの開催を検討しています。
ぜひチェックしてみてください。
暗号資産の変動に不安を感じる。NFTが売れたらすぐに日本円に交換すべきか?
大前提として、私が暗号資産を購入したときは比較的安く手に入れることができた。
NFTを通して稼いだETH(イーサ)は、現状だと課税対象になるため日本円にしていない。
日本円にするのは、もう少し税制が整ってからにしようと思っている。
重要なのは、「(NFTでETHを稼ぐための)元手が0円」という点。
NFTは、クリエイターのスキルを仮想通貨に変えられる手段というように捉えている。
NFTはほぼ原価が0円で作れるので、ETHの価格がいくらであろうと利益は出るというのが強み。
極端な話、ETHに1円でも価値が付いていればそれがそのまま利益になる。
ただ、自分の保有する日本円を暗号資産につぎ込むのは単純なギャンブルにもなりえるから非推奨。
NFTはイラスト以外のデータも売れますか?
売れる。
音楽データや3Dデータなどを売っている人もいる。
中国や韓国など世界中のどこでもNFT活動はできますか?
現状、韓国は課税面などで比較的NFTには寛容。
中国は規制がかかる可能性もある。
その国の税制面などの制度について事前調査は必須。
また、海外の人たちへNFTを売りたいのであれば、その国の人達の文化を理解する必要がある。
例えば、人種差別に敏感な国では「日本のアニメにはなぜ白人ばかりが登場するのか?」という疑問を持つ人もいる。
こうした文化的背景を理解する必要がある。
現在のNFTの市場規模は?
ETHの価格による。
市場規模は、1ETH=1万円か100万円かによっても変わるということ。
また、日々新たなNFTコレクションが生まれており、そこへの投資マネーの流入などにも影響されるため、一概には言えない。
日本円換金後に課税されますか?
金融庁の方針次第で課税対象となるケースがある。
NFTで稼いだ場合は、税理士に相談したほうがいい。
課税制度については、新たなルールも整備されているので、最新の情報を確認するのが望ましい。
NFTの税制面については、「クリエイター向け:NFTアート販売における税金の仕組みを解説」をご覧ください。
NFTクリエイターとして単独活動とグループ、コンビでの活動での違いは?
グループで活動する場合は、以下のように役割分担できる。
- マーケティング
- 作画
- 国内向けSNS発信
- 海外向け発信
一方、単独活動の場合はこれらを全部1人でやらないといけない。
まずはグループで活動の一翼を担い、それから独り立ちするのもよい。
ただ、グループに所属する場合、活動義務も発生する。
このため、自分がその活動に充てられる時間などと相談しながら決めるのがよい。
なお、私は単独活動。
NFTのコミュニティ作りは具体的にどうすればいい?
グループチャットができるDiscord(ディスコード)というツールを使っているNFTコレクションが多い。
私もテーマごとに部屋を分けて、文字チャットで参加者とコミュニケーションをとっている。
作品を発表したら、まずはDiscordに入ってもらい、リリース前から徐々に盛り上げていく「事前マーケティング」がNFTでは一般的。
こうすることで、例えば、作品のリリース前に2万人がDiscordに集まったら「200作品程度は売れるのでは?」という予測を立てることが可能になる。
クリエイターでもマーケティングへの理解やスキル習得は必須の時代になっている。
このあたりのお話も書籍に書いている。
セミナー参加者の声
参加者の90%以上が「おねんね氏の講演内容を有益に感じた」というアンケート結果になりました。
おねんね氏の講演を聞いた参加者の声を一部紹介したいと思います。
(原文ママ)
全体として、NFTという新しいジャンルへの理解が深まったこと、また、マーケティングについて学びになったという声が多かったです。
まとめ:人気クリエイターになるためにはファンの求めていることを自問自答すること
ANIFTY特別講義の中のおねんね氏の講演をレポートしてきました。
個人でNFTクリエイターとして活躍しているおねんね氏の考え方に刺激を受けた参加者も多く、アンケート結果からも満足度の高さが見て取れます。
人気クリエイターになるためのキーワードの1つ、「コミュニティ作り」については中長期的に活動するためにもクリエイターとして抑えておきたいポイント。
ただ、コミュニティさえ作ればよいというわけではありません。
講演内でおねんね氏は、次のことを強調していました。
「ファンは何を求めているのか?」を常に自問自答する姿勢がクリエイターには求められる
これはNFTアーティストに限らず、すべてのクリエイターに求められる姿勢ではないでしょうか。
ANIFTYでは今後もクリエイターのためになる特別講演やイベントなどを定期的に開催する予定です。
ぜひチェックしてみてください。